基礎体温と妊娠について

基礎体温とは、排卵や妊娠の可能性を知るための目安となる体温のことです。
基礎体温は、妊娠を希望される方や月経周期が気になる方にとって、ご自身の体の状態を知るための大切な指標です。
「基礎体温が上がらない」「高温期が短い」「ガタガタで心配」「不妊治療に行く前に測らないといけない?」など、多くのご質問をいただきます。
このページでは、基礎体温の基本的な知識から、不妊治療との関係、受診のタイミングまで解説します。
動画で分かる基礎体温と妊娠について
基礎体温で分かること
基礎体温を記録すると、排卵の有無や月経周期の状態をある程度把握することができます。
- 排卵しているかどうかの目安
- 排卵時期の予測
- 高温期の長さ
- 月経周期の乱れ
- ホルモンバランスの変化
ただし、基礎体温だけで正確な診断はできません。実際には超音波検査や血液検査を組み合わせて評価します。
正常な基礎体温のグラフとは?
基礎体温には、排卵前の「低温期」と排卵後の「高温期」の二つがあります。
正常な基礎体温は、この低温期と高温期が分かれる「二相性」のグラフになることが特徴です。
一般的には0.3〜0.5℃程度の差があり、排卵を境に高温期へ移行します。
不妊治療はいつ受診すれば良い?
患者さんからよくいただく質問のひとつが、「基礎体温を何か月か測ってから受診した方が良いですか?」というものです。
結論から申し上げると、思い立ったタイミングで受診していただいて大丈夫です。
基礎体温は参考になりますが、不妊治療を始めるための必須条件ではありません。
実際には超音波検査や血液検査によって、排卵やホルモンの状態を確認することができます。
月経周期と検査のタイミング
不妊検査には、月経周期に応じて行う検査があります。
| 月経期 | ホルモン採血 |
|---|---|
| 月経終了後 | 子宮卵管造影検査 |
| 月経終了後 | 子宮鏡検査 |
| 排卵後 | 黄体ホルモン採血 |
| 周期に関係なく | 感染症検査、精液検査 |
ただし、基礎体温だけで妊娠のしやすさや卵子の状態を判断することはできません。
最近では、超音波検査やホルモン検査によって、より正確に排卵や卵巣機能を確認することができます。
そのため、初診はどのタイミングで来院いただいても問題ありません。
よくある質問
基礎体温はどうやって測りますか?
基礎体温は、朝目覚めたら起き上がらず、横になったまま測定します。婦人用体温計を枕元に置いておき、口の中で測ります。舌の裏側の付け根に先をあて、舌で押さえて口を閉じたまま測定します。
基礎体温は0.3〜0.5℃程度の小さな変化を見るため、通常の体温計ではなく、小数点第2位まで測定できる婦人用体温計を使用します。
基礎体温が排卵後に上がらないけど大丈夫でしょうか?
基礎体温には個人差があります。排卵日から体温が上がり始める方もいれば、排卵後数日〜1週間ほど経ってから高温期になる方もいます。
基礎体温が上がらないことが心配な場合には、超音波検査や血液検査で排卵しているかを確認することができます。
基礎体温が横ばいですが大丈夫でしょうか?
基礎体温に変化がなく、ほぼ横ばいの状態が続く場合は、月経のような出血があっても排卵していないことがあります。
また、高温期が短い場合は黄体ホルモンの分泌が不十分な可能性もあります。気になる場合は診察でご相談ください。
測る前に動いてしまっても、そのあと測って大丈夫でしょうか?
体を動かすと体温が上昇するため、正確な基礎体温が測れないことがあります。先にトイレに行ってしまった場合などは、その日の測定はお休みしても構いません。
基礎体温は毎日測ることが理想ですが、測れない日があっても大丈夫です。あまり神経質にならず、可能な日から続けてみましょう。
夜勤などがあり生活が不規則な場合でも測定できますか?
生活リズムが不規則な場合には、4時間程度のまとまった睡眠が取れたあとに測定しましょう。
低温期と低体温の違いは?
低温期は基礎体温の周期の一部で、排卵前に体温が低めになる時期です。一方、低体温は体全体の深部体温が低い状態を指します。
低温期と低体温は別のものです。冷えや体調が気になる場合は、食事、運動、入浴など、生活習慣を見直すことも大切です。
基礎体温は必須ですか?
不妊治療において、基礎体温は必須ではありません。記録されている場合は参考になりますが、測っていなくても受診していただいて大丈夫です。
排卵日は超音波検査や血液検査でも確認できます。「基礎体温をつけてから受診しよう」と考えて受診が遅れるよりも、気になったタイミングでご相談いただくことが大切です。
不妊治療施設に通院しているけれど、基礎体温は参考になりますか?
基礎体温の記録があれば、排卵時期や高温期の状態を把握する参考になることがあります。
ただし、実際の診療では超音波検査で卵胞の大きさを確認し、必要に応じて血液検査も行います。基礎体温だけで判断するわけではありません。
さいごに
基礎体温は、その日の気温や体調、睡眠時間、測り方などで変動します。あくまでも大まかな経過を見るためのものと考えてください。
測れない日があっても問題ありませんし、結果を見て一喜一憂する必要もありません。気になることがあれば、些細なことでもご相談ください。
「基礎体温をつけてから受診しよう」と考えて受診が遅れるよりも、「気になった時に相談する」ことの方が大切です。
妊娠について不安なことがあれば、お気軽にご相談ください。
監修医師
本ページは、プリュームレディースクリニック院長 松本由紀子が監修しています。
松本由紀子
日本専門医機構認定 産婦人科専門医
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医

