不妊かも、と思ったら
「もしかして不妊かもしれない」と不安を感じたとき、決して自分やパートナーを責めないでください。妊娠を希望していてもなかなか授からないという状況は、決して珍しいことではありません。日々の忙しさに追われ、つい後回しにしてしまいがちですが、まずは専門医へ相談することから始めてみませんか。お互いの気持ちを分かち合い、将来について話し合う大切なきっかけとなるはずです。
妊娠に至るまでの仕組み
妊娠が成立するためには、いくつかの重要なプロセスが順番に進んでいく必要があります。ここでは、体が赤ちゃんを迎える準備を整えるまでの流れを解説します。

-
卵子の成長
卵巣の中にある「卵のもと」が、ホルモンの働きによって成熟した卵子へと育ちます。 -
排卵
成熟した1つの卵子が卵巣から飛び出し、卵管へと取り込まれます。 -
受精
卵管で元気な精子と卵子が出会い、1つの細胞になります。 -
着床
受精卵が分割を繰り返しながら子宮へ移動し、子宮内膜に落ち着くことで妊娠が成立します。
年齢と卵子の数について
卵のもとは生まれたときには約200万個ありますが、加齢とともに減少していきます。思春期には20〜30万個、35歳では2〜3万個となり、実際に排卵されるのは一生のうちで400個程度といわれています。
ホルモンと排卵の役割
卵子を育てるためには、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体化ホルモン)という2つのホルモンが欠かせません。これらのバランスが整うことで、卵子は適切に成長し、卵管の端にある「卵管采」へと運ばれます。

不妊症の定義と主な原因
一般的に、健康な男女が避妊をせずに通常の夫婦生活を送っている場合、以下の割合で妊娠に至るとされています。
| 期間 | 妊娠率 |
|---|---|
| 半年 | 約70% |
| 1年 | 約90% |
日本産科婦人科学会では、避妊をせずに1年が経過しても妊娠に至らない状態を不妊症と定義しています。
妊娠を妨げる主な要因
妊娠のプロセスのどこか一箇所でもスムーズにいかないと、妊娠は難しくなります。主な原因には以下のようなものがあります。
- 排卵障害:ホルモンバランスの乱れにより、卵子がうまく育たない状態。
- ピックアップ障害:卵管の先端が卵子をうまく取り込めない状態。
- 精子の要因:精子の数や運動率に問題があり、受精の場まで到達できない状態。
- 受精障害:卵子と精子が出会っても、何らかの理由で受精が起こらない状態。
- 着床不全:受精卵の染色体異常や、子宮内環境により着床が維持できない状態。

特に受精卵の染色体異常は女性の年齢が大きく関与しており、流産などの原因にもなり得ます。妊娠・出産は、多くの奇跡的な積み重ねによって成立するものなのです。

不妊治療の保険適用と相談の流れ
不妊治療は高額なイメージがあるかもしれませんが、現在は多くの検査や治療に保険が適用されます。最初から全ての検査を行う必要はありません。まずはご自身の体調や月経周期を知ることから始めてみましょう。
当院の診療方針
当院では、患者様一人ひとりの希望に寄り添った治療を提案します。結婚の有無にかかわらず、相談のみの受診も可能です。
| ステップ1 | 問診・基礎的な検査の実施 |
|---|---|
| ステップ2 | タイミング指導などの自然妊娠を目指す治療 |
| ステップ3 | 必要に応じた追加検査や高度な治療の検討 |
スマホアプリ「ルナルナ メディコ」の導入
当院では、基礎体温や月経周期を管理できるアプリルナルナ メディコを導入しています。記録されたデータを診察室のパソコンで確認できるため、紙への転記などの負担が軽減されます。
- アプリの使用は任意であり、義務ではありません。
- 一時的にデータを閲覧するシステムであり、当院で管理・監視することはありません。
不妊かも?と感じたら、まずは気軽に話せる場所として当院をご利用ください。夫婦で将来を考える一歩をサポートいたします。

監修医師
本ページは、プリュームレディースクリニック院長 松本由紀子が監修しています。
松本由紀子
日本専門医機構認定 産婦人科専門医
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医


