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子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査について

実際に子宮卵管造影検査を行っている動画です、造影剤が卵管を流れていく様子が見て取れます。

不妊の原因には様々なものが考えられますが、女性側が原因の場合、卵管に異常がある方は約30~40%とほかの妊娠しにくい原因と比べて最も高い頻度で報告されています。

卵管は、自然妊娠をするうえで精子と卵子が出会うための唯一の通り道(卵管)であり、精子と卵子が受精し約1週間に渡り受精卵を育てていく大切な場所です。

卵管の通路が狭い(狭窄)、または卵管が詰まっている(閉塞)場合には、妊娠しにくくなります。

狭窄したり、閉塞する原因は膣から子宮を通って何かしらの感染(上行性感染といいます)が起こり、その後癒着などを起こすことによるといわれています。

子宮卵管造影検査は、このような左右の卵管の状態を知ることができ、造影剤が子宮を通ってから卵管へ流れることにより、子宮の内腔の形についても調べることができます。

妊娠を望まれる方にとって、卵管造影検査は大変重要な検査となります。当院では「痛いから避けたい」という方でも「受けてよかった」と言っていただけるよう様々な工夫をしています。

※子宮卵管造影検査・子宮鏡検査のご予約は、電話にてお取りください。

 

当院の子宮卵管造影検査の特徴

1.当院は内診室とレントゲン室がつながっており、卵管造影検査を行うために挿入するカテーテルした後、レントゲン室への移動が最短距離となるようにしております。カテーテル挿入後の移動が短いことは痛みの軽減につながります。

2.造影剤は自動注入ポンプを使用して一定の速度でゆっくりと注入します。子宮から卵管への造影剤の流れ具合は動画撮影で行っています。自動ポンプでゆっくりと注入し動画で撮影をすることにより、検査時間そのものを大幅に短縮することができます。動画は録画しますので終了後に見直すことにより詳細を観察することが可能です。また、検査後に患者さんと一緒に見ていただくことにより結果を正確にお伝えすることができます。

3.検査前の膣内消毒は通常の内診よりも小さい器具(クスコといいます)を使い、検査前の内診、消毒、カテーテル挿入のときの痛みが少なくなる工夫を行っています。「検査が痛かった」といわれる方は検査前の消毒やカテーテル挿入の際が一番痛かったという方も少なくなく、お声をかけながら行い、痛みを最小限に抑える工夫をしています。

検査をおすすめする方

妊娠を希望されてから数か月経ても妊娠されていない方や流産を繰り返す方におすすめします。また、子宮内膜症や子宮筋腫といわれたことがある方は、早めの検査をお勧めします。

 

検査時期

月経開始から7-12日目ごろに実施をおすすめしていますが、それ以外の時期でも施行可能なこともありますので予約時にお電話にてご相談ください。(月経開始から検査当日までは避妊してください)

 

実施できない方

  • ヨードアレルギーがある方
  • 重篤な甲状腺疾患の方
  • 妊娠している可能性がある方

メトホルミンを内服されている方はいったん服用を中止していただく必要があります。

 

実施できない方、どうしても不安が強い方へ

卵管造影検査は左右の卵管の詳細な状態を確認することができますが、施行できない方やどうしても不安が大きい方は、内診室で細いチューブから生理食塩水を注入して卵管の通り具合を確認する卵管通水検査などで卵管の状態を確認することもあります。薬剤アレルギー等で検査を受けられない方は卵管通水検査で代用しますが、不安が強いという方には、どの点が不安かをお聞きし、不安が解消しむしろ検査を受けてみたいかも、と思ったタイミングでお勧めしています。

 

検査の流れ

  1. 安静室にて検査用スカートへ着替えていただきます(上衣は着ていただいたままで行います)。
  2. 内診室で子宮内に細いチューブを入れ、抜けないようチューブの先にある小さなバルーンを膨らませ、隣のレントゲン室へ移動します。この時点で痛みがあるようであればバルーンの大きさを調整します。それでも強い痛みが治まらなければ検査を中止することもあります。軽い腹痛程度であれば検査を受けていただけます。
  3. レントゲン透視を行いながら、ゆっくりと造影剤を注入していきます。痛みがあれば手を挙げて教えていただき、痛みが強くなりそうであれば検査を中止します。
  4. 透視しながら造影剤が腹腔内に造影剤がどのように広がっていくのかを動画撮影をしながら確認して終了します。造影剤の注入開始から終了まで1~2分以内です。

※卵管内に造影剤が貯留している場合には、約20分後に再撮影をさせていただくこともあります。

終わった際には、安静室でしばらく横になっていただき、直後または後日結果をご説明します。検査後は感染予防のために抗生剤の内服を行います。

 

検査を受けられる方へ

  1. 予約は電話または院内でお取りします。ネット予約はできませんのでご了承ください。
  2. 検査までは確実に避妊をしてください。
  3. 検査同意書を事前にお持ちの方はあらかじめ記入しご持参ください。
  4. ナプキンをご持参ください。
  5. 来院が遅れる場合には必ず連絡をお願い致します。予定より遅くなる場合、キャンセル扱いとさせていただく場合がございます。
  6. お子さま同伴での検査は不可です。
  7. メトホルミンを内服中の方は乳酸アシドーシスの回避として検査前日から検査後48時間は内服中止でお願いいたします。      

     

     

    卵管内の構造とは?

    卵管は子宮と繋がっており、上の画像のように子宮側から①間質部、②峡部、③膨大部、④采部に分けられ、子宮から卵管の先端に向かい徐々に太くなっています。

    子宮と卵管の繋ぎ目の太さは約1mmと非常に細いため、炎症などで傷付くと卵子が上手く通り抜けられないなどの問題が起こります。

    画像③番の膨大部までくると、その太さは約1cm程度に広がっています。

    卵管の表面は卵管上皮で覆われており、ひだ状になっています。

    画像④番の采部は卵管采ともいい、卵管の先端に繋がっているラッパのような形をした開口部分で、卵子が排出されると卵巣を覆い、卵子を卵管の中に吸い込みます。※この機能を「ピックアップ」と呼びます。

     

    卵管の役目は?

    卵管の役目は、主に5つあります。

    1. 卵巣から排出された卵子をピックアップし卵管へ取り込むこと(卵管采)
    2. 膣から遊走してきた精子を受け入れること、
    3. 卵子と精子を受精させること(膨大部)
    4. 受精卵を育てること
    5. 受精卵を無事に子宮へ運ぶこと

    排卵日になると、卵巣から卵子が排出され、卵子は卵管を移動しながら子宮のほうへむかっていきます。膨大部で卵巣から排出された卵子と膣から侵入してきた精子が出会い、受精し、受精卵が誕生すると、今度は受精卵が子宮の方向へ移動し、子宮内膜に着床します。

     

    なぜ卵管は詰まったり細くなったりするの?

    原因の多くは、卵管内で起こった炎症だと考えられています。

    具体的には、子宮内膜症、骨盤腹膜炎、卵管留水腫、虫垂炎、開腹手術、クラジジアや淋病などの性感染症による卵管炎、などがあげられています。

    ただし、炎症の原因がはっきりわからない方も多くおられます。

     

    卵管に異常があった場合の症状は?

    卵管閉塞(狭窄)のほとんどが無症状です。

     

    院長:松本由紀子(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医・日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医・日本生殖医学会認定 生殖医療専門医)

     

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