血液検査
血液検査(保険適用)
健康状態検査
肝機能、腎機能、貧血、甲状腺機能など妊娠前に身体の健康状態を確認する検査です。異常がある場合には不妊の原因や流産、妊娠合併症のリスクが増加しますので、専門医へご紹介致します。
クラミジア抗体検査
過去にクラミジア感染があった場合には、血液検査にて抗体反応が陽性となります。症状がない間に感染していることもあり、子宮や卵巣の癒着や卵管の通過性の問題の原因になることがあるため、早期発見のために検査をお勧めする場合があります。
ホルモン検査
①月経3-5日目ごろに血液検査で行います。
FSH(卵胞刺激ホルモン):その周期の卵巣の状態を推定する指標となります。
LH(黄体形成ホルモン):高値の場合には排卵障害(多嚢胞性卵巣症候群)の診断や重症度の評価が可能となります。
プロラクチン(乳汁分泌ホルモン):乳汁分泌を促進するホルモンですが、妊娠前に上昇している場合には排卵障害や黄体機能不全の原因となります。
テストステロン(男性化ホルモン):排卵障害の場合に高値となることがあり診断や重症度の指標となります。
②排卵後3-8日目ごろに血液検査で行います。
エストロゲン(卵胞ホルモン):卵子が着床するベッドとなる子宮内膜を厚くし、着床しやすくするホルモンです。
プロゲステロン(黄体ホルモン):排卵後に卵巣から分泌されます。体温を上昇させ、卵胞ホルモンによって厚くなった子宮内膜に着床しやすくするホルモンです。子宮内膜をさらに着床しやすい状態にします。
これらのホルモン値が十分足りていない場合には、お薬でよい状態となるよう整えることができます。
③時期を選ばない血液検査
AMH(抗ミュラー管ホルモン):卵巣内に残っている卵子の数を知るための指標です。ただし、妊娠のしやすさは卵子の質と関連しますが、AMH値は卵子の質まではわかりません。2024年6月より女性不妊症の方には保険適用で検査ができます。卵子の数を調べておくことにより将来体外受精治療に進んだ際に1回で採れる卵子の数の予測ができるようになります。そのため一般不妊治療計画をたてやすくなります。
血液検査(保険適用外)
AMH(抗ミュラー管ホルモン):7500円
発育途中の卵胞から分泌されるホルモンで、卵巣機能の指標となります。
ただし、数値と排卵される卵子の質とは関係ありません。(2024年6月から女性不妊症の方には保険適用で検査ができます。)
抗精子抗体:8000円
精子の運動率を妨げる抗体を調べる血液検査です。この抗体が陽性の場合には人工受精治療を早めからご提案します。
風疹抗体検査:2200円
風疹抗体が陰性または抗体が少ない場合には、妊娠中に風疹に罹患する可能性があります。
もしも妊娠中に罹患すると赤ちゃんの先天異常を引き起こすことが知られています。
当院では妊娠前に検査をされることにより、結果によりワクチン接種を推奨しています(ワクチン接種後は約2か月の避妊期間が必要です)
院長:松本由紀子(日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医・日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医・日本生殖医学会認定 生殖医療専門医)